Adobe Illustrator2023 新機能「クロスと重なり」の使い方 | ソフトマシーン

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2022年10月29日

Adobe Illustrator2023 新機能「クロスと重なり」の使い方

先日Adobe MAXで発表されたIllustrator2023。こちらの目玉である新機能「クロスと重なり」が実装されました。

一体どんな機能なのかざっくりと説明しますと、それぞれの◯を◯の状態のまま、下の五輪のような図を作れる機能です。

 

こう書くとマジックみたいですね。

サンプルを交えて使い方を紹介していきたいと思います。

 

「クロスと重なり」機能を使って簡単にパーツを連結させてみる

シンプルな作成例として、鎖を作ってみます。

今までは、輪と輪をつなげたいだけなのに
「その部分だけマスクをかけたパーツを重ねるようにして見せたり」
「パスファインダーを使って切り分けしたり」
手間がかかる上に再調整も難しかった作業が、この機能で簡単にできるようになりました、それも劇的に。

 

この選択ツールはフリーハンドなので、時には選択範囲がうまくいかずやり直したい場面が出てくることもあります。 そこで⌘+Zで取り消しをすると、「クロスと重なり」の編集は解除されます。そんな時は、

どんな仕組みか覗いてみようと思ったら…

この機能はいったいどういう処理をしているのかな?と気になったので軽くいじってみました。
アピアランスのパスのアウトラインをかけてみると、「クロスと重なりオブジェクトを拡張」との文字が。
えぇ〜。アピアランスは効果のON/OFFができる機能というイメージだったんですが、例外ということでしょうか。
⚠️拡張後は編集できなくなるのでご注意ください。
さて、実際のデータを見てみると、互い違いになってる箇所は、複製されたオブジェクトの順番が入れ替わった状態でマスクされていることがわかりました。その他の場所は下の画像のとおりです。


「クロスと重なり」を重ねがけしてみる

このサンプルでは「CHAIN」という文字と先程の鎖を組み合わせてみました。
文字はフォントを手打ちした状態のままなので

こんな感じに書体を変えることも可能です。一部マスクされた部分とぶつかって欠けてしまいましたね。選択範囲を作る時は、少し余裕をもって囲む方が良いかもしれません。

透過画像にも使える「クロスと重なり」機能

Photoshopでマスクをかけた透過画像にも試してみました。Illustratorのボーダーブラシをぐるぐる。
他のブラシにも切り替えできました。

ちなみに配置画像を他の画像に置き換えてみると機能は解除されていないものの、見た目は左の状態に戻ってしまいました。選択範囲は消えてしまったようです。

そのまま入稿できるのはまだ先? 気をつけたいあれこれ

タイトル画像のイラストを作っていて気づいた点は、ライブペイントは拡張しないと「クロスと重なり」の機能が使えないということ。

また、Adobeからもアナウンスが出ていますが、この新機能を有効にしたまま入稿用のPDFを用意しようとすると、不具合がおきてしまうようです。分割・拡張をしないままX1-aのPDFで書き出すと、真ん中のように消えてしまいます。

また、X-4では「クロスと重なり」機能をかけたものは解像度72dpiの画像で書き出されてしまいます。(画像拡大で確認できるかな?)

現時点で可能な回避策を掲載しているアドビサポートコミュニティはこちら

ともあれ、あったら良いなと思っていた新機能です。使い方によっては表現の幅もぐんと広がると思いますので、試す場合は、

  • アップデートの際、前バージョンを残した状態で新バージョンをインストール
  • 入稿前にはデータのバックアップをとっておく
  • 効果を分割(詳しくはAdobeの上記リンク先を参照)してから書き出す

などの対策を取った上で楽しみしつつ、取り入れていきましょう。

また、新しい情報が入ったら、今後もこのページで更新予定です。

デザイナー

fukaminato

猫のために生きてますが、ネットがないと生きていけない

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