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2023年1月9日

今村夏子さんの「とんこつQ&A 」を読みました。(ネタバレあり)

tonkotsu

今村夏子さんの
とんこつQ&Aを読みました。
まず、装丁のデザインが力抜けていて可愛いくて最高なので
文庫化を待たずに買いました。

この本の中に4話掲載されていて、その中で
一番気にいったのは1話目の「とんこつQ&A」です。
店主とその息子が営んでいる中華料理屋さんにわたしがバイトで入って〜〜〜から始まります。
主人公のわたしの不器用さと、一生懸命さと、人の役に立つことの喜びでお話は進んでゆきます
途中から、新人の丘崎さんが入ってきてからは、
わたしの居場所を取られてしまう恐れから
意地悪をしたり、取り乱したり、心が陰るのですが、
最後にはキラキラとした光が放たれるのです。


私自身今村夏子作品はほとんど読んでいて、その多くの作品から「純粋さ」を感じるのです。
お金とか打算とかそう言う次元の話では無くて、
愛ってなんなんだ?これなんじゃないの?と

それは、「こちらあみこ」とか「星の子」からも
強く感じるのです。

今村夏子さんは太宰治好きとして知られていると思いますが、
私は「純粋さ」が今村夏子さんと太宰治に共通しているところだと思うのです。

太宰治作品の、特に「きりぎりす」を読んだ時にも
お金や打算を否定して
太宰治の根本的な純粋さ
を感じたのです。
一般的には「人間失格」ばかりフューチャーされがちですが、
太宰治作品には純粋な作品がいくつもあって

「葉桜と魔笛」も美しい話で傑作だと思っています。

昨今は何かと世知辛く
打算にまみれて生きるしかないような世の中ですが

だからこそ
この純粋さにしがみつきたいような、心の真ん中にとっておきたいような気がするのです。

デザイナー

takayama

ひらめく事、大胆なデザインが得意

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