ブランドのロゴに使用されているフォントはこれ!? ~海外高級ブランドからドメスティックブランドまで~ | ソフトマシーン

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2024年4月14日

ブランドのロゴに使用されているフォントはこれ!? ~海外高級ブランドからドメスティックブランドまで~

ファッションブランドのロゴってかっこいいですよね。

あのぱっと見かっこいいロゴは

なんでこんなにかっこいいんだろうと思ってよく見てみると

インターネットが普及するずっと前から使われていた

歴史の長いフォントを土台として作られている場合がとても多くて

深堀りするとそのフォントの魅力がビシビシと伝わってきてとても面白いのです。

今回は海外の高級ブランドからドメスティックブランドまで

その書体が生まれた国や年代、プラス、プチ情報も書いてゆきたいと思います。

 

<目次>

01. Futura

02. Helvetica

03. Didot

04. Semplicita

05. Franklin gothic

06. DIN

07. Heimat Display

 

01.Futura 🇩🇪

Futuraは1923年にドイツのバウハウスに非常勤講師として働いていたパウル・レナーさんによって発表されたフォント。非常勤講師でありながら、こんなに広く世界的に愛用されるフォントを生み出したパウル・レナーさんに賞賛と感謝を贈りたいのと、お人柄を知りたくなります。
バウハウスらしく幾何学的なデザインで、まん丸の「O」や角の尖った「V」が特徴的です。ファミリーもかなり豊富で、ウェイトによっては「V」の角が尖っていないものもあり、ウェイトの選び方や文字間の開け方など、使い方によって様々な印象のものが作られていると思います。

 

LOUIS VUITTON 🇫🇷
(ルイ ヴィトン)
「U」の幅や「N」の上下の出っ張りを調整していそうです。
参照:LOIS VUITTON公式サイト


Supreme
 🇺🇸

(シュプリーム)
Obliqueをさらに90%位長体をかけていそうです。
参照:Supreme公式サイト


MARNI
🇮🇹
(マルニ)
Extra Boldを使用し文字間をとても大きく開けています。
参照:marni.com


naoki tomizuka
🇯🇵
(なおきとみずか) 元トリコ・コムデギャルソンのパタンナーだった富塚 尚樹さんのブランド。小文字だけで構成し、文字間を大きくとっていて、お洋服の可愛さを表す、かわいい印象になっています。
参照:naokitomizuka.com

 

02.Helvetica🇨🇭

世界中で一番多く使われていると言われているフォントの王様。
1957年にスイス人のマックス・ミーティンガーさんとエドゥアルト・ホフマンさんが発表した書体です。「Helvetica」の名称は、ラテン語で「スイスの」を意味するので、スイスが世界に誇るプロダクトですね。
欧文フォント選びに迷ったら、とりあえずHelveticaを使えば、王道感のあるカッコ良いデザインが出来上がる可能性大です。



SAINT LAURENT  🇫🇷
サン ローラン

イブ・サンローラン氏の退任後、2012年にクリエイティブディレクターに就任したエディ・スリマン氏によってリブランドされた「サンローラン」のロゴは、ドンピシャのHelvetica使用です。「N」と「T」をくっつけて、少ーし微調整されているかもです。
参照:ysl.com

 

COMME de GARCONS 🇯🇵
(コム デ ギャルソン)

我らが日本の誇るブランド、コムデギャルソンもHelveticaをほぼそのまま使用していようです。フランス語のCの下の髭をアスタリスクにしていて、この少ない要素だけで構成されているのに一目で判別できるロゴって傑作です。
参照:comm-de-garcons.com

 

FENDI 🇮🇹
(フェンディ)

フェンディのロゴはよくHelveticaを元に作られていると言われていますが、「F」と「E」の上から2番目の線が短いですし、「D」も形が違います。全部の角を丸めてもいるので、Helveticaを土台に変形しているか、オリジナルの可能性もあると思います。
参照:fendi.com

 

03.Didot 🇫🇷🇨🇭

とにかくファッション界ぽい雰囲気のあるDidot。
1991年にパリで活躍していたスイス人の「 アドリアン・フルティガー」さんが制作したフォントですが、1810年に「フィルマン・ディド」さんのが製作した活字が元になっています。
文字間を詰めてもバッチリまとまりますし、文字同士を重ねてもかっこ良くなる、とにかくエレガント決まるフォントです。

 

VOGUE 🇺🇸
(ヴォーグ )
アメリカに本社のあるコンデナスト・パブリケーションズ社のファッション誌で、世界18カ国とラテンアメリカで翻訳されて出版されている雑誌。
ロゴはDidotの文字を縦長に調整しているようです。
そのまんま長体をかけているわけではありませんよ。
参照:vogue.co.jp


ZARA 🇪🇸
(ザラ)
スペイン初のファストファッションブランド。96の国に店舗があります。
Didotの、Z A R A の4文字の文字間隔をマイナスにギューと寄せて文字を重ねています。それでこのかっこ良さ。
参照:zara.com


DIOR
🇫🇷
(ディオール)
クリスチャン・ディオールさんが1946年に立ち上げた、フランスのエレガンス、ディオール。
2017年にリニューアルされた「DIOR」4文字大文字のロゴ。それ以前の「Dior」と大文字と小文字で構成されたロゴは、Nicolas Cochinというフォントを元に作られていました。
現在の全部大文字の「DIOR」はDidotとNicolas Cochinの特徴を掛け合わせて作られているように見受けられます。
参照:dior.com

 

04.Semplicita 🇮🇹

1930年にイタリアのデザインナー、Alessandro ButtiによってNebiolo鋳造所のために作成された書体です。
「Semplicita」とは。イタリア語で「シンプル」という意味です。「u」や「a」の右のしっぽが無かったり、「f」の縦棒が下に長いなどの特徴があります。

 

CELINE 🇫🇷
(セリーヌ)
フランスのブランドだけどイタリア発祥の書体を使っています。2018年にエディ・スリマンがクリエイティブディレクターに就任した時に刷新したロゴに「Semplicita」が使われています。
それにしてもエディ・スリマンさんは、「SAINTRAURANT」のロゴといい「CELINE」のロゴといい
装飾的な要素は全部取ってしまってスッキリさせますね。
エディ・スリマン自体がエレガントなロックというか・・・そういう存在です。
参照:celine.com

 

 

 

 

05.Franklin Gothic 🇺🇸

1902年、アメリカのモリス・フラー・ベントンさんによってデザインされたサンセリフの書体です。ヨーロッパ生まれの「Futura」や「Helvetica」との大きな違いは、「g」の円の部分が2段重ねになっているところです。

 

MoMA 🇺🇸
(モマ The Museum of Modern Art, New York ニューヨーク近代美術館)
ファッションブランドではありませんが、Franklin Gothicをほぼそのまま使用しています。「O」を小文字にするだけでアクセントになり、
一目で認識できて存在感のとてもあるロゴになっています。
参照:moma.org


sacai
🇯🇵
(サカイ)
今やパリコレ常連の人気ブランド。スタンダードにひねりを効かせた現代を感じさせるデザインが多く、なんだかんだかっこいいです。
この「sacai」のロゴ、「a」はFranklin Gothicに似ていて、「S」「c」「I」はHelveticaのようで、シンプルだけど結構調整されているように見受けられます。

「sacai」と「kolor」のデザイナーさんはご夫婦だと認識していましたが、今は離婚されていました。
因みに「kolor」のロゴもFranklin Gothicを土台にしているのかなと思いましたが、「k」が大きく改変されているか、他の書体かもしれません。
参照:sacai.jp
kolor.jp

06.DIN 🇩🇪

1931年にドイツ規格協会によって発表された書体、DIN1451。DINとは、ドイツ規格協会(独: Deutsches Institut für Normung)の頭文字です。日本でいう「JIS」のような存在です。その後、日本人の小林章さんの指揮のもと元に改良された「DIN NEXT」は32ものバリエーションがあります。2020東京オリンピック・パラリンピックのロゴにも使われています。

 

ユニクロ 🇯🇵
遠くからでも識別しやすく、記号のようなフォントを使用しているユニクロ。
製品のスペックなどの表示や高速道路の看板やナンバープレートなどにも使用されていたくらい見やすいDINを世界中で展開しているユニクロがロゴに使用することに、妙に納得した気分になりました。
参照:uniqlo.com

 

07.Heimat Display 🇩🇪

2015年にデザイナーのクリストフ・ダンストさんによってドイツのベルリンにあるAtlas Foundryから発表されました。そこまで歴史は長くない書体ですがファミリーの数もとても豊富で、個性がありながらも見出しに使っても良し、本文にしても良しの、美しい書体です。

MAISON KITSUNE 🇫🇷
(メゾンキツネ)
2002年にフランス人のGildas Loaëcさんと日本人の黒木理也さんが設立したライフスタイルブランド。
Heimat Display を土台として、かなり改変されていると思われますが、書体の持つ現代的な雰囲気と軽やかな美しさがこのブランドの若々しさを現していると思います。
参照:maizonkitsune.com

ブランドの目印となり品格を与えるロゴは、完全なオリジナルというものの方がむしろ珍しく、
長く人々からの信頼のある書体を使っている場合が大半です。
それはきっと、ブランドとは信頼を長い間ずっと積み重ね続けることで出来ているということと繋がっているのかもしれません。

著作権の都合上、ブランドロゴの画像を貼ることはしておらず、解りづらいところがあるとは思いますが
ロゴを作成する時の参考にしたり、クライアントさんへのセールストークに使っていただけたら幸いです。

 

 

デザイナー

takayama

ひらめく事、大胆なデザインが得意

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